【1年次】
地球規模課題総論
概要
本科目の目的は地球規模課題に取り組むための第一歩として、広い視野から各課題について知ることとする。授業では地球規模課題とは何か、地球規模課題は誰に関係するのか、地球規模課題に誰が影響を与えるのかを定義する。また、国際連合やその他の政府機関や非政府組織といった関連国際機関についての知識を学ぶ。さらに過去の地球規模課題に関連する過程も顧みることにより、どのような取り組みがこれまでなされ、どのような決断が取られてきたのか、現在と未来を展望していく。
扱う内容例
・いつ、なぜ、どのように国際連合は設立されたのか?
・持続可能な開発のための2030sジェンダとは何か?
・どのように、なぜ地球規模課題はすべての人一人ひとりに関係するのか?
【1年次】
地球規模課題方法論
概要
本科目の目的は、地球規模課題に取り組むにあたり、最も基本的な技術である「課題発見力」を養成することとする。そのためにまずは先人の経験を学び、模範となる事例を自身のなかに蓄積してもらう必要がある。具体的には、古代から現代に至るまで各時代における課題を解決した著名な人物を取り上げ、彼らがどのような背景のもと、どのような課題を発見し、そして、どのように解決したのかを学んでいく。
扱う内容例
・古代ギリシャでなぜ・どのように哲学者は物体測量をしたか?
・中世ヨーロッパでなぜ・どのように科学者は実験主義的な現象説明をしたか?
・大航海時代でなぜ・どのように天文学者は宗教分離をし現象説明をしたか?
【1年次】
地球規模課題基礎論(環境)
概要
本科目の目的は環境領域に根差す地球規模課題について基礎的な知識を涵養することとする。具体的には環境に関する実際の地球規模課題を取り上げ、その原因を説明するとともにいかに解決が図られてきたかを、関連専門分野を紹介しながら教授する。最後には学生は自身の興味に応じてひとつ地球規模課題を選択し、その原因や解決方法をプレゼンテーションすることで、知識のインプットだけでなくアウトプットの技術も磨く。
扱う内容例
・モンゴルにおける食料生産と水資源管理
・富士山の環境保全と観光
・韓国・ソウルにおける清渓川復元事業による熱環境改善
【1年次】
地球規模課題基礎論(人間)
概要
本科目の目的は特に国際社会に関連する地球規模課題について学ぶこととする。一人ひとりが生きている場所の社会的背景や環境を踏まえながら、日常生活のなかに見られることから発想していく。人々の多様性に着目し、どのように共生していけるか、どのように健やかかつ幸せに生きていけるかを思考する。授業の最後には学生はひとつ地球規模課題を選択し、独自の調査や観点にもとづきその課題についてプレゼンテーションを行う。
扱う内容例
・レユニオン(フランスの海外県)における初等教育の背景
・フランスとアフリカにおける健康や教育、社会的統合の推進のためのスポーツ振興
・日本における人口動態の原因と影響
【2年次】
地球規模課題基礎演習 A群(地球環境 / リスク・安全)
概要
本演習では、国内で見られる地球規模課題に着目し、地球環境および災害・リスクの視点から、環境学的分析や地域分析に関する手法、情報処理・解析能力、説明能力、討論能力、および問題解決能力を涵養する。具体的には、まず国内外の事例を参照しながら、環境汚染の状況やプロセス等を把握するための科学的知識や分析技術、さらに都市解析の理論、空間データ分析、社会調査法といった地域分析能力の基礎を身に付ける。次に、同事例について、地球環境や災害・リスクの諸相を歴史的及び国際的文脈を踏まえて理解を深める。最後にケーススタディとして課題抽出と解決に向けた討論・プレゼンテーションを行う。
扱う内容例
・水質分析の手法
・空間データ分析の手法
・社会調査の手法
【2年次】
地球規模課題基礎実習 A群(地球環境 / リスク・安全)
概要
本実習では、地球規模課題基礎演習で身に付けた課題の科学的理解・分析に関する手法、情報処理・解析能力、説明・討論能力等をフィールドに適用し、それらの内容を具体的に体得することを目的とする。取り上げる事例は利根川・鬼怒川流域の水環境とリスクマネジメントとし、現地視察や野外調査を行い得られたデータを分析し、プレゼンテーションを行うことで、地球規模課題解決の基礎プロセスを実践的に学ぶ。
扱う内容例
・常総市における地形・土地利用と豪雨災害
・足尾銅山鉱毒事件の背景と収束過程
【2年次】
地球規模課題基礎演習 B群(社会共生/ 人の健幸)
概要
本演習では、国内の社会コミュニケーション問題と構成者の健康問題に焦点を当てる。現代社会では情報リテラシーの諸相と高齢者の健康問題の理解が重要な課題となっている。共生課題および健康医科学に関する基礎的な知識や評価方法、対処・予防法について幅広く学び、実際の現場において問題を把握するための調査の概念や技術、得られた情報(資料、データ)処理・解釈技術も身に付ける。最終的には問題発見と解決へ向けた独自の研究計画を考案する(実習Ⅰで行われる現地調査の準備)。以上の学修から、様々なステークホルダーが抱える問題を予め考え、想像する能力を涵養することを目指す。授業はプレゼンと討論を中心に行う。
扱う内容例
・現代社会とコミュニケーション問題(ヘイトスピーチ、差別発言、コミュニケーション障害等)と現地調査方法論(フィールド観察ノート、データ収集、談話・言説分析、マルチモーダル分析)
・日本における要介護状態の原因と解決策(生活習慣病、認知機能障害、運動機能低下、低栄養、抑うつ、閉じこもり、予防法、体力評価法など)
【2年次】
地球規模課題基礎実習 B群(社会共生/ 人の健幸)
概要
演習Iで見た諸問題(コミュニケーション、要介護・健康状態)から対象・テーマを絞り、個人あるいはチームで現地調査を行う。社会共生と人の健幸の視点から原因・背景・経過などを検証していく。より実証性を高めるべく、現地における聞き取り調査やデータ収集、実験による検証、メディアを活用した現状分析など、さまざまなタイプの分析の方法を検討する。客観的に問題点を抽出し、その理解に努めたあと、高大連携の枠内や訪問施設、公開シンポジウム、あるいは学内発表会を通して情報発信を実体験する。
扱う内容例
・施設に収容されている高齢者と看護師に対する調査とコミュニケーション問題の分析
・同じ施設の高齢者の生活習慣病の潜在リスクを避けるために運動能力測定