全国初めての外国人向けマイ・タイムラインワークショップを開催しました
地球規模課題全般を俯瞰する幅広い基礎知識を身に付け、地球温暖化対策など地球規模の課題について、自分で考え抜く力、そして、自分なりの解決策を見つける力を持つ人材を育成するための英語による教育プログラムである地球規模課題学位プログラム(学士)(BPGI)は、2022年7月15日、茨城県常総市、一般財団法人河川情報センター、国土交通省下館河川事務所と共同で全国初めての外国人向けのマイ・タイムライン(住民一人ひとりが自らつくる防災行動計画)ワークショップを開催しました。
マイ・タイムラインとは、平成27年9月関東・東北豪雨における避難の遅れや避難者の孤立の発生を受けて、住民一人ひとりの単位で、水防災に関する知識と心構えを共有し、事前の計画等の充実を促すためのツールとして開発されたものです。国土交通省では、マイ・タイムラインの全国へ展開のために、普及・啓発に向けた取組を開催しています。
BPGIでは、PBL(Problem/Project-Based Learning)形式で実施しているSeminars on Global Issues A- I/IIの一環として茨城県常総市で水害から安全なまちづくりに関するフィールドワークを実施してきました。川島宏一 教授と嚴先鏞助教(システム情報系)が中心となって実施した2022年度のマイ・タイムラインワークショップでは、BPGIの2年生と3年生の学生が常総市在住のブラジル人中学・高校生とコミュニケーションをとりながら、水害リスクや入手する防災情報を「知る」ことからどのように行動するかを「考える」までの活動を支援しました(写真1)。さらに、大学と現場で学んだ知識と自国での経験に基づき、マイ・タイムラインの普及に向けたアイデア発表会も行いました(写真2)。
この活動を通して、BPGI学生はこれまで大学で学んだ知識を用いて現実の問題に取り組むことができ、地域社会の持続可能な発展に具体的に貢献することができました。また、参加したBPGI学生やブラジル人中高校生にとっては互いの文化についての理解を深めるよい契機となりました。一般財団法人河川情報センター、常総市の担当者からは、「日本人では気づけなかった問題点と改善策について学べる良い機会だった」との感想も寄せられました。
写真1 マイ・タイムライン作成支援
写真2 マイ・タイムラインの普及に向けたアイデア発表会